用途から知る蓄電池の種類
価格を踏まえたおすすめメーカーについて
蓄電池とは
蓄電池とは、産業用・家庭用として大きく分かれており、どちらも電気を蓄える充電機能を備えたバッテリー群のことです。
主に太陽光発電を活用したエネルギーの自家消費として使われてます。
近年では、性能機能に優れた蓄電池の普及が進み、小型軽量化された事から節電や省エネ意識の高い家庭の、電気料金負担軽減のために広まっております。
産業用としても同様に、停電や災害からの事業継続を目的とした(BCP対策)電源部分の一部として、蓄電池の導入が広まっています。
【蓄電池の特徴】
『電力の蓄積と放出』
蓄電池は電気を蓄えておき、必要に応じて放出することができます。これにより、エネルギーを効率的に利用でき、電力需要のピーク時に備えたり、電力供給が不安定な時にバックアップとして使用したりできます。
『高い充放電効率』
最近の蓄電池は充放電効率が高く、無駄なエネルギー損失が少なくなっています。これにより、充電した電力をほぼそのまま利用することができ、エネルギーコストの削減に寄与します。
『長寿命』
技術の進歩により、蓄電池の寿命も大幅に向上しています。現代の蓄電池は数千回の充放電サイクルに耐えられるため、長期間にわたって安定した性能を提供します。
『小型化と軽量化』
蓄電池は小型化・軽量化が進んでおり、設置場所や取り扱いが容易になっています。家庭用の蓄電池はコンパクトで、家庭のインテリアに馴染むデザインも増えてきています。
『安全性の向上』
最新の蓄電池は安全性にも配慮されており、過充電や過放電、短絡などのリスクを最小限に抑えるための保護機能が備わっています。これにより、安心して使用することができます。
『環境への配慮』
多くの蓄電池はリサイクル可能な材料で作られており、使用後の処理にも配慮されています。また、再生可能エネルギーとの相性も良く、エコな生活の一環として利用できます。
『コストパフォーマンスの向上』
技術革新により、蓄電池の価格が徐々に下がってきています。初期投資が必要ですが、長期的には電気料金の削減やエネルギー自給率の向上に貢献し、コストパフォーマンスが改善されています。
『スマート機能の導入』
最近の蓄電池は、スマートフォンやタブレットで管理できる機能が備わっているものもあります。これにより、リアルタイムで電力の状況を確認したり、最適な充電・放電タイミングを設定したりすることができます。
蓄電池は、技術の進化により多くの利点を提供しています。多くの特徴があり、個人や家庭のエネルギー管理において非常に有用です。
【蓄電池の種類】
『鉛蓄電池 (鉛酸電池)』
- 特徴:古くから使われている技術で、コストが比較的安価で信頼性が高いです。充電・放電サイクルはリチウムイオン電池に比べると短いですが、耐久性があります。
- 用途:自動車のバッテリー、UPS (無停電電源装置)、発電所のバックアップ電源など。
- 利点:コストが安い、広く普及している。
- 欠点:比較的大きく、重い、エネルギー密度が低い。
『ナトリウム硫黄電池』
- 特徴:高いエネルギー密度と効率を持ち、長寿命です。ただし、高温での動作が必要で、冷却システムが必要です。
- 用途:大規模な電力貯蔵システム、電力会社の電力調整。
- 利点:高エネルギー密度、大規模システム向け。
- 欠点:高温での運用が必要、コストが高い。
『フロー電池』
- 特徴:大容量で長時間のエネルギー貯蔵が可能です。電解液を循環させることで充電・放電が行われるため、スケーラブルで、長寿命の特徴があります。
- 用途:大規模なエネルギー貯蔵システム、電力会社の調整電源。
- 利点:長寿命、大容量。
- 欠点:システムが複雑、初期投資が高い。
『固体電池』
- 特徴:液体の電解質の代わりに固体の電解質を使用することで、安全性が高く、エネルギー密度も向上する可能性があります。
- 用途:高性能な電子機器、次世代の電動車両など。
- 利点:高安全性、高エネルギー密度。
- 欠点:技術がまだ発展途上で、コストが高い。
『ニッケル水素電池 (NiMH電池)』
- 特徴:リチウムイオン電池よりもやや低いエネルギー密度を持ちますが、環境に優しく、安全性が高いです。
- 用途:ハイブリッド車のバッテリー、家庭用蓄電池。
- 利点:環境に優しい、安全性が高い。
- 欠点:リチウムイオン電池よりエネルギー密度が低い。
『リチウムイオン電池』
- 特徴:高いエネルギー密度、長寿命、軽量、小型化が可能です。充放電効率も高く、家庭用や商業用の蓄電池として広く使用されています。
- 用途:家庭用の電力バックアップ、電気自動車、携帯機器など。
- 利点:長寿命、高効率、コンパクト。
- 欠点:初期投資が高め、過充電や高温に対する保護が必要。
その他にも、リチウムイオン電池の種類として
- コバルト酸リチウム(LiCoO2)
- マンガン酸リチウム(LiMn2O4)
- ニッケル酸リチウム(LiNiO2)
- リン酸鉄リチウム(LiFePo4)
※リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、過充電や短絡不良が発生しても発火や爆発をおこさない、非常に安全とされています。
蓄電池のメリット・デメリット
【蓄電池のメリット】
- 電気代が安くなる
- 停電しても電気が使える
- 売電単価が下がっても問題ない
家庭用蓄電池を設置している方は、太陽光発電も一緒に設置した電気の自給自足を行っている事が一般的です。
ソーラー発電により余った電力を売電する事から収入を得る。
電力を「売る・買う」差分の発生から実質的に電気代は安くなります。
他にも、リアルタイムに「発電・蓄電」を自家消費へ回せる事で、実質的な作用なく電気代を下げるメリットへ繋がります。
また、「災害時の停電・急な停電」どちらの停電の場合でも、ソーラー発電・蓄電池があれば日中夜間どちらも電力が使え安心です。
契約期間が終わり売電単価が下がった場合でも、より自家消費へ蓄電池を使用する事で電気代を下げるメリットを維持できます。
- 安全性|セル破損が起こっても発火温度まで達しない
- 充放電管理|バッテリー内BMS搭載(バッテリーマネジメントボード)
- 寿命|10年
- 蓄電池の電圧|3.2V
- サイクル数|100%4000回/80%6000回/60%15000回
10kwhクラスの蓄電池作りへ掛かる費用は40万円と導入のしやすさが特徴です。
- 野外へ持ち出し可能な自作ポータブル電源の自作
- 車中泊でも電気が使えるキャンピングカーサブバッテリー
- 停電に備えた非常用電源
- 電気代を下げる自宅のオフグリッド用電源
として人気があります。
どの蓄電池にも言える事ですが、温度・湿度・設置場所を考えればリン酸鉄リチウムイオンバッテリーとはコストパフォーマンスを最大に活かせる蓄電池になります。
【蓄電池のデメリット】
- 初期費用が高い
- 徐々に蓄える電力量が減る
- 設置スペースと配線工事が必要になる
初期費用に関して、本体機器(蓄電池)だけで10kwh200万円が費用になります。
徐々に蓄える電力量が減るに関して、蓄電池の使用に伴い経年劣化することで蓄える能力が減る。
これは、ごく自然な現象になり、電池全体のデメリットと言えるでしょう。
設置スペースが必要に関して、電力は誰の目にも見えないものです。
しかし、電柱から自宅へ流れる商用電源には、蓄電池の様な設置スペースは必要ないです。
電線内部に電力が押し込まれており、電化製品を使うタイミングで必要な電力を簡単に取り出せる仕組みとなっています。
電線を辿りきった先には大規模な発電所が有り、自由に電力を使えます。
そのため、電柱・電線を通す場所以外にスペースは必要ないです。
反対に蓄電池の設置にはスペースが必要になります。
自宅または商業・公共施設の電力を再生可能エネルギー・商用電源を使い一時的に蓄える。
蓄えると表現しましたが、蓄電池の中ではバッテリー正負極材の化学反応により電力を作り出しています。
要するに「蓄電池＝小さな発電所」と言い換えることができ、太陽電池(ソーラーパネル)と組み合わせる事で、繰り返しエネルギー貯蔵が可能になります。
そのエネルギー貯蔵に対して「ケース・バッテリー素材・管理基盤」が蓄電池を構成する重要部品であり、これらは重量を伴うため「設置架台・配管金具・振れ止め部材・取付足」など、地震や重量物設置からくる埋没・強風による転倒・破損による出火を防ぐため、法律に則った設置スペースが必要になります。
このように一般的な蓄電池には、電気代を下げるメリットから初期費用が高いデメリットまで様々な問題があります。
蓄電池家庭用価格・費用は
【蓄電池の費用】
本体機器の容量(電力量)に応じて変動する。
大体の相場は「5kwh100万円~20kwh400万円」として幅が有り、家庭用蓄電池の価格は「1kwh20万円」として覚えていただくと分かりやすいです。
加えて工事費・諸経費・消費税などが加算されるため、蓄電池価格は初期費用が高い傾向にあります。(自治体の補助金制度を使えるなら率先して使いましょう)
太陽光発電のみ行い売電単価が下がったタイミングで、家庭用蓄電池を取り付ける事をおすすめします。
家庭用蓄電池を導入する場合は、必ず相見積りを行い数社の設置会社が提示する内容を比較して決定しましょう。
太陽光蓄電池の価格は
【太陽光発電＋蓄電池＝セット費用】
太陽光発電システム・蓄電池システムどちらもセットで導入する費用は、平均250万円が相場となっています。
相場の容量として
- 太陽光発電5kw
- 蓄電池10kw
どちらのシステムも容量の変更から、屋根材などの違いから設置部品もそれぞれ変わる事から200万円~300万円が相場価格と覚えましょう。
平均的な容量を1kw単位で見た場合「太陽光発電|20～25万円・蓄電池|15～20万円」の範囲内に納まる事が好ましいです。
太陽光発電・蓄電池どちらもセットで導入する場合も、必ず相見積りを行い数社の設置会社が提示する内容を比較して決定しましょう。
蓄電池の寿命と耐用年数は
【蓄電池の寿命】
蓄電池の寿命は、種類やメーカーなどでも違いが有り、使用環境(期間・振動)設置環境(温度・湿度)様々な要因によっても変化する物です。
蓄電池の寿命とメーカー保証年数を合わせる事も多く、リチウムイオン電池では10～20年の範囲内が一般的な目安になります。
また、蓄電池を10~15年間使い続けると最大容量は60％前後まで減少するため、故障などを除き使えなくなる事はありません。
但し、蓄電池内の電池劣化が進んだ状態では充放電の安全性に欠けることから、今後の使用を控え交換時期と決めた方が得策です。
そして、蓄電池の交換後は過充電・過放電を避け、温度・湿度の適切な場所へ設置することで、対応年数を延ばす使い方が重要になります。
蓄電池を長持ちさせるための使い方のポイント
『適切な充電と放電サイクルの管理』
充電・放電の最適化: 蓄電池の充放電は一定の範囲内で行うことが理想です。完全に放電しきることや、100%まで常に充電することは蓄電池の寿命を短くする可能性があります。一般的には、20%〜80%の範囲で使用することが推奨されます。
過充電や過放電の回避: 蓄電池の過充電や過放電はバッテリーの劣化を早めます。充電管理システムを活用し、適切な範囲内で充放電を行いましょう。
『温度管理』
適切な温度範囲: 蓄電池は高温や低温に極端にさらされると寿命が縮まります。通常、蓄電池は15〜25度の温度範囲で最も安定して動作します。極端な温度環境を避けるために、冷却や加熱対策を行うことが重要です。
通気性の確保: 充電中に熱が発生するため、十分な通気性を確保し、蓄電池が適切に冷却されるようにしましょう。
『定期的なメンテナンス』
点検とクリーニング: 蓄電池の端子や接続部分が汚れていると、性能が低下することがあります。定期的に点検し、必要に応じて清掃を行いましょう。
ソフトウェアのアップデート: 蓄電池の管理システムや関連するソフトウェアがあれば、最新のバージョンにアップデートすることで、性能や安全性が向上する場合があります。
『適切な設置』
振動や衝撃の防止: 蓄電池は振動や衝撃に弱いことがあります。設置場所を選び、安定した環境で使用することが長寿命を保つために重要です。
適切な配置: 蓄電池を適切な場所に設置し、過度な湿気や埃から保護することも寿命を延ばすための要素です。
『過負荷の回避』
適切な容量の選定: 使用する機器やシステムに対して適切な容量の蓄電池を選ぶことで、過負荷や過剰なストレスを避けることができます。容量が不足すると、蓄電池に過剰な負担がかかります。
『適切な保管』
長期間の保管: 長期間使用しない場合は、蓄電池を適切に保管することが重要です。保管時は充電状態を適度に保ち、極端な温度や湿度を避けるようにします。
蓄電池の容量
「定格容量・実効容量」
定格(定められた)の容量・実効(使用できる)の容量、蓄電池を過放電から避ける数値(Kwh)の違いが表示されています。
定められた容量に対して使用できる容量を記載することから、実効容量を目安に選ぶことをおすすめします。
基本的には定格容量の方が、実行容量より大きい設定となっており、稀に定格容量・実効容量が同じ蓄電池を目にする機会があるかと思います。
違いは蓄電池の中核部分へ、安定型セル採用リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)を搭載する事から、0%⇔100%の充電放電が行え、安全性も高く長寿命のため定格容量・実効容量が同じ蓄電池となっています。
このように、容量の基本を学び蓄電池を選ぶことで、失敗しない電気の自給自足が行えるようになります。
10kwh蓄電池の価格は
先ほど蓄電池1kwh価格は20~30万円とお伝えしました。他のサイトでは、蓄電池1kWhあたり平均15万円と表示された内容も見るでしょう。
価格に幅がある理由として、使われている電池素材によって大きく左右されるからです。
中でも電池素材の価格が世界的な情勢で変わり高騰する場合もあるため、高い時もあれば安い時期もある事から相場が読みにくくなっています。
では、価格の安定した蓄電池は無いのか？っと思う方も実際多いと思います。
私たちから提案できることは、リチウム系蓄電池の仲間には「価格の安定した蓄電池がある」事をお伝えします。
価格として「10kwh蓄電池40万円」になりますから、他の蓄電池と比較した場合1kwh4万円になり大きな差が出てきます。
蓄電池おすすめのメーカー
【蓄電池メーカー】
『家庭用蓄電池』
- ニチコン
- シャープ
- 長州産業
- オムロン
- 京セラ
- ダイヤゼブラ電機（田淵電機）
- パナソニック
- 住友電工
- テスラ
- ファーウェイ
『産業用蓄電池』
- パナソニック
- 日本電気
- シャープ
- 村田製作所
- オムロンソーシアル
『系統用蓄電池』
- テスラ
- ファーウェイ
- 東芝三菱電機産業システム
- CATL
- GSユアサ
※他にも数社ある
蓄電池メーカーは国内多く存在する事から、おすすめメーカーを申し上げるのは正直言って難しいです。
その中でも、自社LiFePO4セルを製造販売するリン酸鉄リチウムイオンバッテリー専門企業「LiTime」なら、特定負荷型・全負荷型以外を高い水準でクリアした製品が多く存在するため、家庭用蓄電池・産業用蓄電池・系統用蓄電池どちらの分野でも活躍する日は近いでしょう。
LiTimeはエネルギーに特化した企業で、キャンピングカー、防災、太陽光発電、オフグリッド、非常用電源などのシーンに向けたエネルギーソリューションを提供しています。LiFePO4充電器、インバーター、MPPTコントローラー、バッテリーモニターなど、豊富なアクセサリーを取り揃えており、便利性と性能を兼ね備えた統合電源システムの構築に努めています。
参考|リン酸鉄リチウムイオンバッテリー価格
