サブバッテリー基本知識を学び|電源システム作りへ役立つ情報
万能電源になれるサブバッテリーの知識
自動車の長距離移動には、大量のガソリン消費・長時間の車内待機(運転・同乗)が付き物になります。
そんな移動中の車内では
- 音楽を聴く
- 会話をする
涼しい室内空間に一人から複数人まで楽しい時間を過ごす事ができます。 逆に移動しない車内では
- 食事をする
- 休憩を取る
ガソリン代節約の観点から自動車エンジンを切る事が大半です。 特に車中泊を伴う旅行、近年流行のキャンピングカー生活など
- ノートパソコンの充電ができない
- エアコンが使えない
- 料理が作れない
『電化製品・家電製品を使いたいけど電源が無い』この様な状況が車両保有している方は、多かれ少なかれ経験したことが有るのではないでしょうか?
そんな場合に、車内電源として主流なのは『サブバッテリー電源システム・ポータブル電源』 2つの電源システムを選ぶことで、電源の無い環境でも電化製品(家電製品)を使うことが可能です。
そして、どちらも災害時の非常用電源としても使える万能電源になります。 ポータブル電源については言うまでも無く、揃えるだけで使える便利な電源になるため説明を控えます。
今回は【車内へ蓄電】常識を知る!サブバッテリー選び方、 としてサブバッテリー基本知識を学び、電源システム作りへ役立つ情報をお届けします。
サブバッテリーとは
「エンジン停止中に電化製品を利用する」場合にサブバッテリーが必要になります。
メインバッテリーとは別に後付け設置が多く、一般的な車両には標準装備されていません。
近年では、居住スペースの広いキャンピングカーが流行りだした事で、家電製品へ電力供給する目的のため標準装備された車両も増加中です。
居住スペースの家電製品
- 照明
- 換気扇
- エアコン
- 冷蔵庫など
エンジン停止中に上記4点の電化製品をメインバッテリーから電力供給する場合、エンジン始動へ電力が不足する状態に陥ります。
俗に言う「バッテリー上がり」です。
これからのトラブルを防ぐため、機器始動を補助するサブ的な役割も担っております。
基本的な用途は車内様々な電化製品を使用するためのバッテリーです。
サブバッテリー種類(ディープサイクルバッテリー)
- 鉛バッテリー(セミシールド型・シールド型)
- リチウムイオンバッテリー
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
ベースは3種類ありますが、安全性の面からリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが近年普及しています。
メインバッテリーとサブバッテリーの違いは何ですか?
先ほど伝えた特徴以外にもメインバッテリー・サブバッテリーには明確な違いがあります。
- メインバッテリー|指定された場所へ1つだけ設置(24V車の場合は12V2つ)
- サブバッテリー|有効な設置場所へ複数台設置
先ほど、特徴として
- 自動車エンジン始動から安全走行に関する事がメインバッテリーの役割
- エンジン停止中に電化製品を利用する場合がサブバッテリーの役割
【メインバッテリー】
エンジン始動からオルタネーター(発電機)を動かして、再度メインバッテリーを充電する。
そのため、最低限搭載する事で問題なく使用寿命を迎えます。
※アイドリング中に電装品を複数同時に使わなければの話し
【サブバッテリー】
走行充電器(アイソレーター)を使い車のエンジンを掛けているだけで、サブバッテリーの電気が充電される仕組みです。
サブバッテリーとは、車内居住スペースの電化製品へ電力供給するため非常に長い消費電力を伴います。
そのため、主にエンジン始動電力へ使うメインバッテリーと比べて、サブバッテリーは大容量化が大前提です。
容量の少ないサブバッテリーでは、電化製品を途中で使用できなくなるリスクが発生するため、複数個の接続されたバッテリーから電化製品へ電力供給する事がメインバッテリーとの大きな違いになります。
その代わりサブバッテリー走行充電すると言う事は、メインバッテリー充電後のエンジン回転数の安定が削がれるため、回転数が多少アップします。
これは、ガソリン消費量が増える状態のため燃費が悪くなることも一緒に覚えましょう。
サブバッテリーを自作
サブバッテリーシステムの自作方法として、自動車の電力は
- 停車中→バッテリー・発電機から電気を使う
- 運転中→バッテリー・発電機から電気を使う
どちらも同じ表示ですが「エンジン回転数によってオルタネーター(発電機)発電量が違う」ことを先に知りましょう。
イメージとしては、必要部品を揃え取り付けメインバッテリー充電後に、余剰する電力をサブバッテリーへ充電する一連の電源システムが必要になります。
※サブバッテリー配線図については、下記を参考にシステム容量などを練りましょう。
【サブバッテリーシステム自作に必要な主要部品】
【サブバッテリーシステム自作に必要な細かな部品】
- ケーブル類
- 端子類
- バッテリー固定用ベルト
【サブバッテリーシステム自作する場合の手順】
ケーブル接続
- メインバッテリープラス端子⇒オルタネーター(発電機)⇒サブバッテリーチャージャー(走行充電器)接続
- メインバッテリーマイナス端子⇒サブバッテリー接続
- アイソレーター⇒サブバッテリープラス端子接続
- サブバッテリープラス・マイナス端子⇒インバーター接続
動作チェック
- サブバッテリーチャージャーからサブバッテリーシステム充電の確認
- インバーターよりAC100V出力の確認
各部品メーカー取り扱い説明書通りに添い上記手順を踏まえて、サブバッテリーシステム自作を行います。
サブバッテリーシステムを自作する費用
【12V 100Ah サブバッテリーシステム】
- 12V 40A サブバッテリーチャージャー(約17,000円)
- サブバッテリー本体(約30,000円)
- DC/AC 1000W インバーター(約12,000円)
- ケーブル端子類(約10,000円)
【12V 230Ah サブバッテリーシステム】
- 12V 60A サブバッテリーチャージャー(約28,000円)
- サブバッテリー本体(約72,000円)
- DC/AC 2000W インバーター(約22,000円)
- ケーブル端子類(約10,000円)
規模の小さなサブバッテリーシステムでは、約60,000円前後から自作する事ができます。
反対に電力不足を感じない大容量サブバッテリーシステムを作る事は、消費電力の高い電化製品の使用に繋がります。
その場合は、300,000円を超えるサブバッテリーシステムを自作する事が有効である。
自作費用の基本的な違いは、サブバッテリー本体の性能容量の違いからインバーター出力性能によって変わります。
特にインバーター選びは正弦波・純正弦波を選ぶことで、使える電化製品の種類が大きく違うため注意が必要です。
ハイエースでサブバッテリーを使うときの注意点は?
ハイエースは運転席下に純正サブバッテリーを搭載するデッドスペースがあります。
- 寒冷地仕様
- ガソリンエンジン
上記2点のハイエースはデッドスペースが埋まっており、サブバッテリー設置場所をしっかりと考える必要が出てきます。
また、配線を通す事によって車内外との隙間ができエンジン音が大きく入ってくる場合があるため、吸音スポンジなどを使いしっかりと隙間を埋める工夫を施しましょう。
走行音に関しても同様です。
サブバッテリーを搭載した場合、DC/ACインバーターや走行充電器には大電流が発生します。
配線を通す場所が高温になる場所では、ケーブルへ通す電流許容量が低下するため選び方には細心の注意が必要です。
サブバッテリーとメインバッテリーに充電電圧差1V未満ある場合は、昇圧回路を搭載したアイソレーター(走行充電器)を準備してサブバッテリーシステムを完成させましょう。
サブバッテリー走行充電器とは
【LiTime12V40A DC-DCバッテリーチャージャー】
- ①リン酸鉄リチウムイオン
- ②鉛
- ③SLA
- ④ゲル
- ⑤AGM
- ⑥カルシウム
6種類のバッテリーへ充電対応する幅広い特徴があります。
- キャンピングカー
- ボート
- ヨット
走行充電器+ソーラーパネル充電併用タイプになり、陸路・海路など幅広い乗り物のサブバッテリー充電が可能です。
最大600Wソーラーパネル入力40A出力タイプ
- ソーラー発電入力端子
- DC入力端子
ACC線に加え幅広い端子を装備する事からサブバッテリー運用効率が向上します。
また、リバースチャージ(逆充電)機能付きでサブバッテリー⇒メインバッテリーに電力を供給可能です。
充電保護機能
- ①過電圧入力
- ②逆接続
- ③過熱
- ④過充電
- ⑤BMS保護(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
5つの保護機能によりサブバッテリーを守ります。
【LiTime12V60A DC-DCバッテリーチャージャー】
※ソーラーパネル非対応モデル/D+イグニッション接続が必要
特長
- バッテリータイプ選択|ノブ操作
- 充電|60A・30A(低電流ポート)
- 充電モード|各種バッテリーに応じた100%自動フル充電
- 保護機能|5種BMS保護
- 使用|DC12V車・ボート・ヨット
※お問い合わせサポート|電話・オンライン
- ソーラーパネル+走行充電器=サブバッテリー充電(Li Time12V40A)
- 走行充電器=サブバッテリー充電(Li Time12V60A)
技術的な部分・接続に困った場合など、サポート体制も整っています。
2タイプのLi Time走行充電器から選べば、車中で使う電力に困ることは無いでしょう。
サブバッテリー電源システム自作へおすすめです。
サブバッテリーの走行充電方法
【ソーラーパネル+走行充電器=サブバッテリー充電】
太陽の出ている時間帯では、ソーラー発電がサブバッテリー充電へ大きく活躍してくれます。
加えて走行中の場合、両発電がサブバッテリー充電を助けてくれます。
車中泊を行う目的地に到着する頃には、サブバッテリー充電も終わっているためバッテリー容量に応じた電化製品の使用が行えます。
天候などが悪く目的地へ到着してもサブバッテリー充電量の低い場合は、車両を余分に走行させて車中泊へ使う電力不足を補いましょう。
【走行充電器=サブバッテリー充電】
12V60A走行充電器とは、700W近い発電を行う大出力タイプになります。
ソーラーパネル充電非対応モデルでも走行充電する事で、車中泊に使う電力を作り出すことが可能です。
大出力メリットは走行していないアイドリング状態でも、サブバッテリー充電に必要な大きな電力が作れます。
車中泊の電力不足を補え快適な車中泊ライフを過ごせるでしょう。
どちらのタイプを選んでも、サブバッテリー走行充電方法は確立されており、車中泊での電力不足について心配する事はないでしょう。
但し、ガソリン切れを起こさない様にメーターチェックは頻度良く定期的に行い、車中泊の前は給油をするなど癖付けましょう。
サブバッテリーは車内で危険でしょうか
使用するサブバッテリー種類によって安全性の違いが出てきます。
【鉛バッテリー】
- 電解液の少ない状態での充電(空焚き:濃い硫化水素臭)
- フルチャージを超えた充電(過充電:無色無臭の水素ガス発生)
※シールド型・セミシールド型ディープサイクルバッテリーでも防爆弁によるガス放出が有る
【リチウムイオンバッテリー】
- 充放電の繰り返しによるセル劣化⇒膨張⇒短絡⇒外気混入⇒出火
- 物理的損傷によるセル破損⇒外気混入⇒出火
- 発火温度まで達しない(白煙は有害のため換気する事)
- シールド型鉛ディープサイクルバッテリーより寿命が長い(こちらは危険とは関係なし)
上記内容についてお伝えします。
どの内容にも当てはまる事として、サブバッテリーへソーラーパネルを直付けするのは危険です。
走行充電器・チャージコントローラーなど、発電を調整しながら充電を行う管理部品が有る前提のお話になります。
サブバッテリーシステムで使用する電線の太さ
サブバッテリー電源システムを作る前に大切な事として、使用するケーブル(電線)について知識を付けましょう。
ケーブル選びに大切な部分は
- 周囲温度
- 電流許容量
上記2点によりケーブルの太さを決めます。
基本的な知識として
- 許容電流の上限=導体温度が上がり耐熱温度まで上昇する
- 温度の高い環境=許容電流算出周囲温度の低い電線では許容量が下がる
- 電線が細い=電流許容量がそもそも低い
こちらを覚えておくと電線選びの基準が絞れます。
その中で注意する点は「許容電流算出周囲温度の低いケーブルを温度の高い環境に使用しない」ことで、サブバッテリーシステムを構築します。
①サブバッテリーを走行充電する場合:エンジンルーム内は100℃を超える場合も有り高温になる事から、許容電流算出周囲温度の高い電流許容量に余裕を持たせた太いケーブル(ネツタフ・ワンゲイン)
②サブバッテリー電源システムからインバーターへ出力する場合:室内温度に見合うケーブル選びに加え、インバーター出力に耐え電流許容量に余裕のある太いケーブル(KIV・HKIV)
取り付ける場所において使用するケーブルを選びましょう。
ケーブルの太さを大きくする選択は間違えではありません。
「許容電流算出周囲温度」を基準に耐熱温度を調べ、電流許容量に見合ったケーブルを選びましょう。
車中泊バッテリーおすすめ
実際に車中泊バッテリーをお探しなら下記容量をおすすめします。
- BMS:100A
- 最大継続出力電力:1280Wh
- 最大継続充電電流:100A
- 最大継続放電電流:100A(1280W出力)
- BMS:200A
- 最大継続出力電力:2944Wh
- 最大継続充電電流:200A
- 最大継続放電電流:200A(2560W出力)
- BMS:250A
- 最大継続出力電力:5888Wh
- 最大継続充電電流:250A
- 最大継続放電電流:250A(3200W出力)
各リン酸鉄リチウムイオンバッテリーデータを簡単に示すとこのようになります。
- 最大継続出力電力⇒使える電力量
- 最大継続充電電流⇒充電の上限電流
- 最大継続放電電流⇒放電の上限電流
※BMSバッテリーマネジメントシステム
自宅の様な電力の使い方を、車中泊でも実現したいなら12V460Ahバッテリーを取り入れる。
エアコンなどの消費電力の高い家電製品でも、電力量5888Whあれば連続運転が可能になりおすすめです。
その他にも出力に余裕があるため、他の電化製品だって使える最大の強みが12V460Ahにはあります。
複数の電化製品をインバーター同時出力する事で、不満ない車中泊をするなら12V230Ahバッテリーを取り入れる。
電子レンジやケトルなど、消費電力の高い電化製品でも問題なく使える大出力な点がおすすめです。
必要最低限の車中泊なら12V100Ahバッテリーを取り入れる。
消費電力の高い電化製品を複数同時に使うには無理があります。
しかし、同時に使わないと割り切れば1280W出力は十分な性能です。
車中泊へ12V100Ahを取り入れる選択は、価格も低い事から追加も簡単です。
狭い車内スペースの空いている部分を、最大限有効活用できるため大正解へ繋がります。
ご自身の車中泊スタイルに合わせてお好きな容量を選び、車中泊用サブバッテリーを楽しみましょう。