【完全ガイド】12Vバッテリーの直列接続と充電方法|12Vバッテリーで24V化

FUMary
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10/07/2025

LiTimeユーザーからよく寄せられる質問の一つが、「12Vのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを2台直列接続して24Vシステムを作る場合、どのように充電すればいいのか?」というものです。

24V用の充電器を1台使うのが良いのか、それとも12V充電器を2台使って個別に充電すべきか——。この記事ではバッテリーの直列接続とその安全な充電方法(バッテリー 直列 充電)を、ステップバイステップで詳しく解説します。

 

目次

バッテリーの直列接続とは?基本の仕組みと接続方法

2つの12Vバッテリーを直列でつなぐには、片方のバッテリーの正極(+)を、もう一方の負極(−)に接続します。残った端子が、直列バッテリーバンク全体の正極・負極となります。

この構成により、電圧は合算されて24Vとなりますが、電流容量(Ah)は1台分のままです。これは12Vのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを24V仕様にしたい場合に一般的な方法です。

直列接続でのポイント:

● 1台目の+端子を、2台目の−端子に接続

● 電圧は24Vに上昇、容量(Ah)は変わらない

● 出力端子は、1台目の−と2台目の+

バッテリーを安全かつ安定的に使用するには、正しい直列接続と充電管理が重要です。

直列接続したバッテリーは1台の充電器で充電できる?

はい、可能です。
2台の12Vバッテリーを直列接続してできた24Vバッテリーバンクは、適正な電圧の充電器を使用すれば、1台の24V充電器で安全に充電できます。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの推奨充電電圧チャート

リン酸鉄リチウムバッテリー用の充電電圧を満たす専用充電器を選びましょう。
→ 詳しくは【LiTime リン酸鉄リチウムイオンバッテリー対応充電器】をご覧ください。

バッテリーを直列で接続する前に確認すべきこと

1. バッテリーのスペックを揃える(最重要):

● 同一タイプ・同容量・同時期購入(1ヶ月以内推奨)のバッテリーを使用

● 可能であれば、同一ブランドのものを選ぶ(BMSの仕様が異なると不具合の原因に)

● 接続前にすべてのバッテリーの充電残量(SOC)を揃える

SOCを揃える方法:

1. 各12Vバッテリーを個別に満充電

2. 並列接続(+と+、−と−)して12〜24時間放置

3. SOCが揃ったら直列接続へ切り替え

※3〜6ヶ月ごとのバッテリーバランス調整も推奨されます。
バッテリーバランサーを使用するのも有効です。

バッテリーバランサーを用いたバッテリーシステム

2. 外観と状態のチェック:

● バッテリーに傷・変形・液漏れ・端子の腐食がないか確認

● 端子は清潔に保ち、接触不良を防ぎましょう

3. 配線・端子の品質を確認:

● 規格に合った接続ケーブルや端子を使用

● 接続部は確実に締め付けて、過熱・接触不良を防止

4. 作業時の安全対策:

● 保護メガネ・絶縁手袋を着用し、感電や化学反応から身を守る

● 換気の良い場所で作業する(鉛バッテリーの場合、有毒ガスに注意)

5. 使用ツールの準備:

● デジタルマルチメーターで電圧を確認

● バッテリーモニターで状態を可視化するのもおすすめ

【実践ステップ】12Vバッテリー2台を直列で充電する方法

Step 1:安全対策を実施

● 防護具(手袋・保護メガネ)を着用

● 電気負荷をすべて外す

Step 2:必要な機材を用意

● デジタルマルチメーター

● 接続ケーブル(ジャンパーケーブル)

● 24Vバッテリー充電器

Step 3:バッテリーを直列接続

バッテリーの直列接続図

● 片方の+端子を、もう一方の−端子に接続
→ 合成電圧:24V

Step 4:電圧チェック

● バッテリーバンクの電圧を確認
→ LiFePO4システムでは26.66V以上が正常値

Step 5:インバーターへの接続

● インバーターに接続し、機器を接続

● 極性に注意して接続(逆接続によるショートを防ぐ)

Step 6:充電器で充電

バッテリーモニターでバッテリーの充電状態を監視

● 1台の24V充電器でバッテリーバンクを充電

● 過充電を避け、バッテリーモニターで状態監視

Step 7:充電後の確認

● 充電完了後、3時間静置し、電圧を再確認
→ 26.66V前後であれば正常
→ 電圧が低い場合は再度バランス調整を実施

効率的かつ安全に充電するためのポイント

1. 自動停止機能付き充電器を使用

● LiTimeのLiFePO4充電器のように、満充電時に自動で停止する機能付きがおすすめ

● 残量ゼロの状態でも復旧できる製品もあり

2. 過充電・過放電を防ぐ

● バッテリーの充電残量(SOC)は20〜80%の範囲に保つのが理想
→ 性能維持と寿命延長に効果的

3. 均等な充電を意識

● 品質の高い充電器を使用

● 充電時の推奨温度:0〜50℃
→ 極端な高温・低温は避けましょう

寒冷地では、低温充電保護付きのバッテリー(例:LiTime寒冷地対応モデル)がおすすめです。

低温充電保護付きのバッテリーおすすめ

4. フル放電は避ける

● 容量が20%を切る前に充電開始するのがベター

5. 急速充電の多用を避ける

● 0.2C程度の充電電流が理想(100Ahの場合は20A)
→ 発熱を抑え、バッテリーの寿命を守る

よくある質問(FAQ)

Q1. バッテリーを直列でつないだままでも充電できますか?

はい、可能です。
2台の12Vバッテリーを直列接続して24Vバッテリーバンクを構成している場合は、24V対応の充電器を使用すれば、接続を外さずにそのまま充電できます

ただし、12V充電器しか持っていない場合は、直列接続を一度解除して、バッテリーを個別に充電する必要があります。また、2バンク対応の充電器(2系統独立出力)があれば、直列接続せずに効率的に個別充電も可能です。

Q2. バスバー(配線バー)は直列接続時にも必要ですか?

いいえ、通常は必要ありません。
バスバーは並列接続時に、複数バッテリー間で電流を均等に分配するために使われます。
直列接続では、電流は1本のルートを通って流れるため、各バッテリーに等しく流れます。そのため、直列接続ではバスバーの導入は不要です。

Q3. バッテリーを直列接続すると、充電が速くなりますか?

はい、一般的に速くなる傾向があります。
直列接続すると電圧が上がるため、同じ電流量でも充電電力量が増えるため、結果的に充電時間は短くなる場合があります。

ただし、これは充電器の性能(出力電圧・電流)やバッテリーの状態にもよるため、すべてのケースで大きな差が出るわけではありません。高性能な充電器を使用し、バッテリーの状態が良好であることが前提となります。

まとめ|直列接続で24V化するなら「安全な管理」がカギ

12Vのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを2台直列で接続し、24Vシステムを構築するのは簡単ですが、適切な手順と管理を行うことで、より安全に、長持ちさせることができます。

● バッテリーの種類・容量・年式を揃える
● SOCを揃えてから接続
● 24V対応の充電器で一括充電
● 定期的な点検とバランス調整

これらのポイントを守れば、あなたのバッテリーシステムは高性能かつ高信頼の電源として長年活躍してくれるでしょう。
ぜひ、安全・快適な電源構築をお楽しみください。

FUMary
FUMaryさんは、製品についてしっかりと理解し、その魅力をやさしく丁寧に伝えるプロのライターです。特にLiFePO4(リン酸鉄リチウム)バッテリーに詳しく、専門的な内容もわかりやすい言葉で紹介してくれます。読者の目線に立った文章づくりを大切にしており、「知りたいことがちゃんと伝わる」と評判です。