釣行の途中でエレキモーターが突然止まってしまった経験はありませんか?
バッテリー切れはせっかくの楽しい時間を台無しにしてしまいます。
エレキ バッテリー(ディープサイクルタイプ)を正しく充電することは、寿命を最大限に延ばし、必要なときに確実に電力を供給するために欠かせません。
本記事では、充電の準備から手順、注意点までをステップごとに詳しく解説します。
エレキモーター バッテリーを正しく充電する理由
エレキモーターには主に「ディープサイクルバッテリー」が使用されます。
種類としては、鉛蓄電池(開放型・AGM)やリチウム系(LiFePO4バッテリー/リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)などがあります。車用バッテリーのように短時間で大電流を出すのではなく、ディープサイクルバッテリーは長時間安定した電力を供給するのが特徴です。
そのため、適切な充電方法が非常に重要です。
正しく充電することで:
- ✅ 寿命を延ばす:過充電や過放電を防ぎ、長期間安定して使用できます。
- ✅ 性能を維持:完全に充電されたバッテリーは安定した出力を維持します。
- ✅ 損傷を防止:誤った充電器や設定を使用すると、内部セルを傷つけるおそれがあります。
充電前に確認すべきポイント
実際に充電を始める前に、いくつかの準備を行うことで安全性と効率が大きく向上します。
1. バッテリーの種類を確認する
まず、自分のエレキ バッテリーがどのタイプかを確認しましょう。
- 開放型鉛蓄電池(Flooded/Wet Cell)
- AGM(吸収ガラスマット型)
- リチウム(LiFePO4/リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)
バッテリータイプによって、必要な充電電圧や充電プロファイルが異なります。
2. 適切な充電器を選ぶ
- 互換性が重要:必ずバッテリーの種類に対応した充電器を使用してください。(例:LiFePO4バッテリーには専用のリチウム対応チャージャーが必要)
- ポータブル/オンボードタイプ:船に固定設置する「オンボード型」か、取り外し可能な「ポータブル型」かを選びます。
- スマートチャージャーを推奨:自動で電流を制御し、過充電防止や温度保護機能を備えています。
例えば、LiTime製にバッテリースマート充電器は、LiFePO4用の安全な多段階充電を自動制御します。

3. 安全対策を忘れずに
- 保護メガネと手袋を着用する
- 換気の良い場所で作業する(特に鉛系はガス発生の恐れあり)
- 火気・金属類をバッテリー端子に近づけない
エレキ バッテリーの正しい充電手順(ステップごとに解説)
ここでは、一般的なポータブル充電器またはオンボード充電器を使用した場合の基本手順を紹介します。
1. 電源をオフにする
- エレキモーターやアクセサリーをすべてオフにします。
2. 充電器を接続する
- 赤いクランプ(+)をバッテリーの正極(+)に接続
- 黒いクランプ(−)をバッテリーの負極(−)に接続
- 接触部分をしっかり固定し、緩みがないか確認
4. 充電モードを設定する
- 充電器に設定がある場合は、バッテリータイプ(鉛、AGM、リチウム)を選択
- 必要に応じて電圧(12V・24V・36V)も確認
5. 充電を開始する
- 充電器をコンセントに接続し、電源を入れます。
- LED表示やモニターで充電が開始されたことを確認
6. 充電の進行を確認する
- 定期的に充電器をチェックし、温度上昇がないか確認。
- スマートチャージャーの場合は、自動で電流を調整し満充電時に停止します。
7. 充電完了後に取り外す
- 充電器の電源をオフ、またはコンセントを抜く
- 黒(−)→赤(+)の順でクランプを外す(スパーク防止)
8. 保管時の注意
- バッテリーを取り外した場合は、冷暗所に保管します。
ソーラーパネルで充電する場合
陸電が使えない環境では、ソーラーシステムによる充電が便利です。必要な機材は以下の通り:
- ソーラーパネル(出力に合った容量)
- ソーラー充電コントローラー(過充電防止・電圧調整用)
- バッテリーとの接続ケーブル
直射日光の下にパネルを設置し、コントローラー経由でバッテリーに接続することで、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを安全に充電できます。
船外機から充電する場合
一部のボートでは、DC-DCチャージャー(走行充電器)や電圧感応リレー(VSR)を利用して、船外機のオルタネーター出力からエレキ バッテリーを充電することも可能です。配線構成により対応可否が異なるため、事前に確認が必要です。
正しく行うべきこと
- ✅ 使用後は毎回フル充電する
- ✅ バッテリータイプに対応した充電器を使用する
- ✅ 気温10〜30℃の範囲で充電する
避けるべきこと
- ❌ 過充電:自動停止機能のない充電器を長時間接続しない
- ❌ 過放電:鉛系は50%以下にしない
- ❌ 不完全充電の繰り返し:鉛酸は硫酸化を起こし容量低下の原因に
- ❌ 破損・凍結バッテリーの充電:安全上非常に危険
リチウム系(LiFePO4バッテリー)はBMS(バッテリーマネジメントシステム)が過充電を防ぎますが、専用充電器の使用は依然として必須です。
充電時間と保管時のポイント
フル充電にかかる時間
充電時間は以下の要素で変わります:
- バッテリー容量(Ah)
- 放電量
- 充電器出力(A)
- バッテリーの種類
例:100Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを20A充電器で充電する場合
100Ah ÷ 20A = 約5時間
長期保管時の充電方法
長期間ボートを使用しない場合:
- バッテリーを約50%充電状態で保管
- 配線を外し、放電を防止
- 鉛・AGMタイプは1〜3ヶ月ごとに電圧チェック(12.4V以下なら補充電)
- リチウム系は自己放電が少ないため、半年に一度の確認でOK
エレキ バッテリー充電に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 室内で充電しても大丈夫?
はい。換気が十分であれば問題ありません。特に鉛系はガスが発生するため、風通しを確保してください。
Q2. 冬の間ずっと充電器につないでおいていい?
標準的な充電器を長期間つなぎっぱなしにするのは避けましょう。過充電のリスクがあり、バッテリー寿命を縮めるおそれがあります。満充電後に取り外し、定期的に補充電するのがベストです。
Q3. 複数のエレキ バッテリーを1台の充電器で充電できる?
はい。マルチバンク式オンボードチャージャーを使用すれば、各12Vバッテリーを独立して充電可能です。
また、24V・36Vシステムに対応した充電器を使用する方法もあります。
| システム電圧 | 最適充電電圧 | 充電電圧範囲 |
|---|---|---|
| 12V | 14.4V | 14.2V ~ 14.6V |
| 24V | 28.8V | 28.4V ~ 29.2V |
| 36V | 43.2V | 42.6V ~ 43.8V |
| 48V | 54.0V | 53.25V ~ 54.75V |
| 51.2V | 57.6V | 56.8V ~ 58.4V |
LiFePO4バッテリーの充電メリット
リチウム(LiFePO4)バッテリーの充電メリット:
- 充電が速い:鉛酸よりも高い充電受入率で時間短縮
- メモリー効果なし:残量に関係なく充電可能
- BMS搭載:過充電・過放電・短絡保護で安全性アップ
- 軽量設計:持ち運びや設置が簡単
特にLiTime バッテリーのような高品質なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、エレキ バッテリーとして信頼性・安全性ともに優れています。
まとめ:正しい充電でエレキ バッテリーを長持ちさせよう
エレキ バッテリーの充電方法を正しく理解することは、ボートメンテナンスの基本です。難しいことではありませんが、バッテリータイプの確認、適切な充電器の使用、安全な手順の徹底が重要です。
正しい知識でバッテリーを管理すれば、長寿命・高性能で快適な釣り時間を楽しむことができます。充電を賢く、安全に行い、安心してエレキモーターを使いこなしましょう。












































































