【知ると深い話】ディープサイクルバッテリーの常識
ディープサイクルバッテリーとは
ディープサイクルバッテリーとは、深い放電・充電を繰り返し行えるサイクルバッテリー(二次電池)の事です。鉛バッテリーへ普及している呼び名で、他にもEBバッテリーとも呼ばれています。
ディープサイクルバッテリーは、長時間にわたり安定した電力を供給する用途に特化しており、電動カート、電動車いす、産業用機器、EV(電気自動車)などで広く使用されています。通常のバッテリーと比べて、深放電に強く、サイクル寿命も長いのが特長です。
素材には大きく分けて以下の2種類があります:
- 鉛ディープサイクルバッテリー
安価で信頼性が高く、長年多くの用途で使われてきました。ただし、急速充電には不向きで、容量の10~20%程度の速度でしか充電できないという弱点があります。
- リチウムディープサイクルバッテリー(LiFePO₄ など)
近年急速に普及しているタイプで、特にリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO₄)は、安全性・高出力・長寿命を兼ね備えています。また、急速充電に対応しており、充電効率にも優れています。
同じディープサイクルバッテリーでも、素材によって性能や適した用途が大きく異なります。使用シーンや求める性能に応じて、適切なタイプを選ぶことが大切です。
ディープサイクルバッテリーとスターティングバッテリーの違い
「ディープサイクルバッテリーとスターティングバッテリーの違いはどこ?」
用途 |
特徴 |
内部構造 |
ディープサイクルバッテリー | 長時間の安定した電力供給に適しており、繰り返し放電・充電が可能。 |
|
スターティングバッテリー | エンジン始動用。短時間に大電流を出すのが得意。 |
|
簡単に言えば、ディープサイクルバッテリーは持久力重視、スターティングバッテリーは瞬発力重視。内部構造の違いが、それぞれの性能を決めています。
「ディープサイクルバッテリーにも種類はある?」
主な種類 | 特徴 |
鉛蓄電池タイプ |
|
AGMタイプ(吸収ガラスマット) |
|
ゲルタイプ |
|
リチウム系(LiFePO4など) |
|
また、スターティングバッテリーとディープサイクルバッテリーとは別に、ハイブリッドバッテリー(マリンバッテリー)などが有ります。特長を一言でまとめると、「深放電に対応しつつ、汎用性のあるバッテリー」です。
「素材によって異なるディープサイクルバッテリー」
ディープサイクル可能な二次電池(充放電を繰り返せる蓄電池)は、使用される素材の違いによって多くの種類が存在します。
- 鉛蓄電池
- ニッカド電池(Ni-Cd)
- ニッケル水素電池(Ni-MH)
- ナトリウム硫黄電池(NaS)
- フロー電池
- 固体電池(全固体電池など)
- リチウムイオンバッテリー
古くから使われている鉛バッテリーから、近年注目されているリチウムイオン電池まで、さまざまな素材で構成されたディープサイクルバッテリーがあります。
■ リチウムイオン電池の種類
リチウムイオン電池だけでも、以下のように複数のタイプが存在します。
- コバルト酸リチウム(LiCoO₂)
- マンガン酸リチウム(LiMn₂O₄)
- ニッケル酸リチウム(LiNiO₂)
- リン酸鉄リチウム(LiFePO₄)
記事タイトルで申し上げた【知ると深い話】と言う部分は、ディープサイクルバッテリーとは数多く存在する情報量の多い蓄電池だと思っていただき差し支えありません。
では、情報量の多いディープサイクルバッテリーの中で、選ぶ基準は何?と聞かれた場合、次のような基準を意識しましょう:
- サイクル回数(寿命)
- 充放電の性能(出力・安定性)
- 安全性(発火リスク・温度耐性など)
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの魅力
ディープサイクルバッテリーを選ぶ際、近年注目を集めているのがリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO₄)です。
このバッテリーは以下のような特長を持ち、優れた選択肢となります。
- 寿命が長い
- 自己放電率が低い
- 安全性が高い
- 原材料価格が安い
- サイクル回数が多い(4000回)
これらの特長から、リン酸鉄リチウムは従来の鉛蓄電池と比べて、より安心・効率的な選択と言えるでしょう。「長く使える・安心して使える」を基準に選ぶなら、LiFePO₄バッテリーは非常におすすめです。
以下に、鉛蓄電池とリン酸鉄リチウムバッテリーの比較を表形式で整理しました。違いが一目でわかりやすくなります。
項目 |
鉛蓄電池 |
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー |
放電深度 (DoD) |
80~100% |
100% |
寿命 |
3~7年 |
10~15年 |
サイズと重量 |
適度 12V 100Ah 28.6~31.8kg |
最軽量、最小 LiTime 12V 100Ah: 10.9kg |
エネルギー密度 |
適度 |
高い |
充電時間と効率 |
中程度、中程度 |
短い、高い |
メンテナンス |
低い |
とても低い |
環境にやさしい |
適度 |
高い |
安全性 |
適度 |
高い |
Bluetooth技術 |
レア |
一般 |
初期費用 |
適度 |
初期コストは高いが、生涯コストは優れている |
ディープサイクルバッテリーの使用用途は
「ディープサイクルバッテリーどのような車両・機械へ使われているの?」
- バッテリー式フォークリフト
- UPS(無停電電源装置)
- ゴルフカート
- 電動運搬車(ターレーなど)
- 電動床面クリーナー
- ウェルダー溶接機
- 電動車椅子(セニアカー含む)
ディープサイクルバッテリーは、主にバッテリーを動力源とする一定の運動を行う車両・機械に使用されています。
「その他ディープサイクルバッテリー使い方」
2020年以降の情勢として「電気料金の高騰・コロナ外出自粛よる反動から起きたキャンプブーム・自然災害による停電」など、多くの方が電気に関心を抱き蓄電池への興味が出てきた事で、ディープサイクルバッテリーの使い方にも変化が起きています。
- キャンピングカー(サブバッテリー電源)
- 非常用電源(防災用電源・停電用予備電源)
- 太陽光発電(家庭用蓄電池)
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当時ディープサイクルバッテリーリチウム化に伴い国内へ入ってきたリン酸鉄リチウムイオンバッテリー「軽量・寿命が長い・大容量」一般庶民でも身近に手に入れることが可能になり、充電・放電を繰り返し行える事で室内外の電源システムとして使用する機会が増えました。
ディープサイクルバッテリーを長持ちさせる秘訣
「ディープサイクルバッテリー寿命はどうなっている?」
ディープサイクルバッテリーの寿命は、充電方法、使用環境の温度、放電深度などに大きく影響されます。
ディープサイクルバッテリー充放電回数:
-
鉛バッテリー:350回〜800回
- リチウムイオン(LiFePO4)バッテリー:4000回〜
鉛バッテリーは過放電や過充電が続くと、電解液が失われ、寿命が大幅に短縮することがあります。リチウムイオンバッテリーも適正温度での使用が求められ、環境温度に注意しないと劣化が早まります。
「ディープサイクルバッテリーを長持ちさせる方法は何?」
- 開放型鉛ディープサイクルバッテリー⇒液量管理
蒸発したバッテリー液を定期的に補充することです。
液枯れが原因でバッテリー内部の電極板が物理的に劣化すると、充電してもバッテリー性能を発揮できなくなります。
- 密閉型鉛ディープサイクルバッテリー⇒過放電の禁止
液量管理が行えない密閉型では、過放電に気を付けましょう。
機器(電化製品)などが動かなくなるまでバッテリー放電を行う、電圧の下げすぎはバッテリー寿命へ悪影響を与えます。
- リチウムイオンディープサイクルバッテリー⇒使用環境の温度に気を付ける
使用環境の温度管理が重要です。温度が過度に高いまたは低い環境での使用は、バッテリーの劣化を促進します。設置前に使用環境の温度を確認しましょう。
- 充電温度:0℃〜50℃
- 放電温度:-20℃〜60℃
- 保管温度:-10℃〜50℃
設置が終わればバッテリー自体を動かすことも無いため気にしない部分ですが、設置をする前には使用環境の温度を必ずチェックすることをおすすめします。
- 暑い環境での充電丨ソリッドエレクトリティインターフェース
- 寒い環境での充電丨プレーティング現象デントライト
これらの基本的な管理を行うことで、バッテリーの寿命を延ばし、安定した性能を保つことができます。
※ 風通しの良い涼しい設置環境を選び、冬場の充電環境が-0℃へ下がる場合はヒート機能付きバッテリーを選び充電環境へ配慮した対策を行いましょう。
反対にディープサイクルバッテリーを長持ちする方法は「充電環境を考えない・寿命へ悪影響を与える行為」を行わない事が長持ちへ繋がる秘訣になります。
ディープサイクルバッテリーの充電方法
ディープサイクルバッテリーの充電方法は主に3通りです。目的に合わせて適切な方法を選びましょう。
ディープサイクルバッテリー専用の充電器で充電。
キャンピングカー、トレーラー、一般車両のサブバッテリーシステム用。
- ソーラーパネルからの充電(MPPTソーラーチャージコントローラーの応用)
ソーラーパネル+コントローラーによる充電が便利です。特にオフグリッド環境や非常時の電源として活躍します。
※走行充電器の中にはソーラーパネル充電に対応したモデルもあります。
専用充電器に関してはディープサイクルバッテリー寿命を緩やかにするため、どの充電方法を選んだ場合にも1台持っていると安心へ繋がります。
ディープサイクルバッテリーの充電電圧は?
充電電圧は、バッテリーの種類によって異なります。
- 鉛ディープサイクルバッテリー
一般的には 15V〜16V未満 の比較的高い電圧が必要とされています。日本国内でも「鉛バッテリーは高電圧で充電するもの」という認識が広まっていますが、実はそこまで高くないケースもあり、意外と誤解されがちなポイントです。
- リチウムイオンディープサイクルバッテリー(LiFePO4)
こちらは 14.4V ±0.2V(最大14.6V) が充電電圧の目安となります。メーカーごとにセル構成に合わせた最適な電圧設定がされており、それに従って使用するのが安全かつ長持ちの秘訣です。
※ ポイント:バッテリーのタイプに合った充電電圧を守ることで、性能を引き出し、寿命を延ばすことができます。
LiTimeバッテリーシリーズ | 最適充電電圧 | 充電電圧範囲 |
12V | 14.1V | 14.2V~14.6V |
24V | 28.8V | 28.4V~29.2V |
36V | 43.2V | 42.6V~43.8V |
48V | 54.0V | 53.25V~54.75V |
51.2V | 57.6V | 56.8V~58.4V |
ディープサイクルバッテリー充電器おすすめ
「鉛ディープサイクルバッテリーを充電するには専用充電器が必要」
市販の安価な充電器では、容量の7割しか充電できないことがあります。最も重要なのは、充電が完了しないとバッテリーの寿命が縮む可能性があることです。
専用充電器には、パルス充電機能が搭載されており、これによりサルフェーション(硫酸鉛の結晶化)を防ぎ、バッテリー寿命を延ばします。また、充電時には急速充電を避け、電流を抑えて長時間充電することが重要です。
これにより、バッテリーへの負担が減り、劣化を防ぐことができます。
「リチウム系ディープサイクルバッテリー充電にはLiFePO4専用充電器が必要」
リチウム系ディープサイクルバッテリーには、LiFePO4専用充電器が必要です。充電は、CC(定電流)充電から始まり、その後、CV(定電圧)充電に切り替えるCCCV充電方式が最適です。
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トリクル充電(自然放電補充)は不要で、過充電やセル損傷、BMS損傷のリスクを避けるため、必ず専用充電器を選んでください。LiFePO4バッテリー専用充電器は、広い電流範囲で急速充電が可能です。これは、ディープサイクルバッテリー最大の利点になります。
- 14.6V 10A
- 14.6V 20A
- 14.6V 40A
- 29.2V 20A
- 58.4V 10A
LiTimeならご使用するディープサイクルバッテリー電圧・電流別に、幅広く専用充電器がございます。
その他にも、走行充電器・ソーラー発電用LiFePO4バッテリー充電器として、各ディープサイクルバッテリーに対応した充電器が多く存在します。
- 12V 40A 走行充電器
- 12V 60A 走行充電器
- 12V/24V 30A MPPTソーラーチャージコントローラー(ソーラー発電用)
- 12V/24/36V/48V 60A MPPTソーラーチャージコントローラー(ソーラー発電用)
目的に応じた充電方法を選び、ディープサイクルバッテリー容量に適した充電器選びにお役立てください。
充電器の種類が多いと言う事は、ご利用者のフィードバックをいくつも重ね製品改良を行い、常に消費者目線に立った製品開発を行っている証になります。
ディープサイクルバッテリーおすすめは12V・24V
もっと深い話もいっぱいあるディープサイクルバッテリー、鉛・リチウムを比べた結論として、充電・放電・瞬発力・サイクル数(寿命)に大きな違いがある事を学べたと思います。
鉛系ディープサイクルバッテリーの弱い部分を補う次世代バッテリーこそ、リチウム系ディープサイクルバッテリーになる訳です。
その中でも、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに関しては
- 急速充電
- 容量同等の放電(出力)
- 容量以上の瞬間的な大放電
- 0%⇔100%使用回数4000回(期待寿命10年)
4つのメリットから使用に適した容量・電圧のディープサイクルバッテリーを選ぶことで、不満の無い仕事を熟してくれます。
特に「12V・24V」リン酸鉄リチウムイオンバッテリーについては、誰でも取り扱える事ができ接続方法も容易です。
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接続手順をバッテリーマニュアルに沿って繋ぐだけですから、使うまでに手間取る事も無くおすすめします。
実際ディープサイクルバッテリーを選ぶ場合に注意して頂きたい事として、取り扱うバッテリー種類が多いメーカーを選びましょう。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー容量を後から増やす方法として「ブランド・電圧・容量」こちらを揃えて、購入時期の近いバッテリー同士をつなぎ合わせる事が可能です。
取り扱う種類の少ないバッテリーメーカーでは、後々の容量拡張性に困る場合があるためおすすめしません。
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実際メーカー選びに悩んだ場合は、国内リン酸鉄リチウムイオンバッテリー取り扱いが多いLiTimeを基準にディープサイクルバッテリー選びを進めてみてはいかがでしょうか。
LiTimeのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、内蔵BMS、4000回以上のサイクル、PSEの認証取得済み、5年間の保証、1~2日以内の配達、あらゆる懸念や問い合わせに迅速に対応するための 24 時間体制のカスタマー サービスも提供しています。
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鉛蓄電池と比べて、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはより良い選択肢といえるでしょう。他にも12V400Ahから48V100Ahディープサイクルバッテリーまで種類豊富な取り扱いが多く、ディープサイクルバッテリーを機能するために非常に重要な関連部品まで揃っていることから、LiTimeをおすすめします。